Earth Library

東京、日本 2020

00 Concept
K05
Concept
環境負荷低減をめざす、建設残土を使った版築のアースライブラリー

東京の工事残土再利用の可能性を探り、建築業界の製造・廃棄にかかる環境負荷軽減のため、セメントを使わないことをテーマとして歴史的洋館「九段ハウス」の日本風庭園に建てられたアート作品。2018年の日本の建設発生土のうち、1億3263万㎥(東京ドーム約106個分)が建設現場から場外搬出され、その輸送により多大なエネルギーを消費し、CO2を排出した。この状況を建築業界で改善することができれば、環境負荷の大きな低減になる。これは世界共通の課題で、土の現代建築への活用が進むフランスでは、パリの再開発計画に地下鉄工事の残土を利用するなど、実用段階に至っている。

アースライブラリーは、東京の工事残土を再利用し、土の固化材にはセメントではなく消石灰を使用した版築(はんちく/Rammed Earth)の壁による外寸の直径が1.7m、中のくぼみに人が一人入ることができる極小空間。居住空間の中に取り入れることもでき、壁には飾り棚が組み込まれている。円形の形状は、その隣にある古い井戸と対応し、その土地の地霊とのつながりを意図している。風化することも作品の一部という前提で屋根をかけないことになったが、半年経っても崩れず、メンテナンスで対応可能な風化であり、これからの日本の土の建築の可能性として期待される。

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© Ph. takeshi noguchi / Drawings, Tono Mirai architects

循環アート / 曲面の土壁 / 景観と一体となる建築 / 建設残土再利用 / 左官 / 自然の循環 / じねん 職人技 / 土壁 / 版築 / 持ち込まない・持ち出さない

所在地 — 東京都千代田区 九段ハウス
主用途 — アート作品(ライブラリー)
工期 — 2020年5月
建築面積 — 1.38㎡
延床面積 — 1.38㎡
階数 — 地上1階
構造 — 版築構法
設計 — 遠野未来建築事務所
構造設計:参創ハウテック
施工 — 齋藤左官  齋藤剛史