JINEN 自然/ 再生の森

ヴェネツィア・ビエンナーレ、2021

01 Circuler Concept
00 Conpept drawing
05-TONO_MIRAI_VENICE_2022_HDEF_C_019
14-TONO_MIRAI_VENICE_2022_HDEF_BW_09
Concept
人と自然の共生、
再生と循環を 模索した土の建築

「自然(じねん)」とは、自ずから成るを意味する東洋的思想であり、自然の成り行きに任せる、あ るいはその動向を察知して従うという人生観である。ヴェネツィア・ビエンナーレ開催期間中に同 時開催される建築展「Time Space Existence」への出展招聘を受け、この作品ではヴェネチア周 辺で入手できる自然素材を利用し、解体後はそれらをアップサイクルしより良い状態にして大地へ 還すという、自然の浄化の役割を果たす持続可能な建築のあり方の提唱を試みた。

もう一つ特徴的なのは、その土地固有の目に見えないエネルギーを、土地の精霊を具現化したよ うなダイナミックなフォルムで、ヴェネツィアの森本来の生態系を象徴的に表現したことである。
天と地をつなぐタワーには3本の柱を円形に配置し、これに柳と竹でフォルムを与え、日本の伝 統的な左官技術による土壁で仕上げた。竹 x 3Dプリンターによる設計など、最新のテクノロジー を掛け合わせることで新たな自然素材の持続可能な活用を模索した。建物内部からは、街の方角 を眺めながら、屋根に開いた天と地をつなぐ「光の井戸」を鑑賞することができる。

JINENの屋根の下にはシンボルツリーと、ヴェネツィア潟の生態系を移し替えた庭が広がってい る。これはヴェネツィア大学とグリーンワイズイタリー社の協力によってヴェネツィア潟の野生植 物を再生させるプロジェクトの一環として設計され、展示終了後、植物は自然の生態系の中へ還 された。建物も個々の素材に解体され、新たな建物やプロダクトとして再構築される。このよう な、建物を起点とした社会循環と環境再生へ結びつける社会実験は、土壌再生を目的とする国際 コンソーシアム、JINOWAと共に取り組んだものである。 

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Drawings, Tono Mirai architects

アップサイクル / 再生 / 左官 / 漆喰 / 持続可能 / 循環アート / 職人技 / 生態系 / 竹 / 土壁 / 常 若 / 土地固有のエネルギー / バイオ炭 / 3Dプリント

所在地 — PALAZZO MORA・屋外テラス(ヴェネツィア、イタリア)
主用途 — アート作品
工期 — 2021年4月~9月
展示期間 — 2021年5月22日~11月21日
主催者— ECC (European Culture Centre) イタリア
階数— 地上1階

設計 — 遠野未来建築事務所
Bamboo 3D設計 — Bambuseto
施工 — アントニオ・サルヴァトーレ
植栽デザイン・施工 — GREEN WISE ITALY
協力 — JINOWA国際コンソーシアム、株式会社GEN Japan、ヴェネツィア カ・フォスカリ大学、環境科学情報統計学部、Life Redune、他
協賛 — 東邦レオ株式会社

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