Vision
遠野未来の土との出会いは、建築制作の場において手で作る側面を取り戻したいという思いからその可能性を与えてくれる素材を探し始め、土という素材が、生命力溢れるエネルギーを纏い、現代生活のストレスを癒す可能性を秘めている事を見つける。そしてその温かみのある自然な色と組み合わせた丸くて優しい形で、より居心地の良い空間を作り始める。
1995年、自身のスタジオを設立し、現代的な土の有機建築に特化する建築家となる。家族が体調を崩したのをきっかけとして、家族が安らげるよう設計された自宅兼事務所「神田SU/Nest House」は、東京の中心部にある超近代的な典型的アパートの閉鎖的な空間の概念とはかけ離れた、風通しが良く流動的なデザインが特徴的。このリノベーションでは、日本の伝統的な左官技術を使用し、閉鎖的で生命力のない空間の連続を、ポジティブなエネルギーに満ちた快適な環境に変える事に成功する。この家は、「自然(自然)」の理念に基づいて時とともに変化し再生することができる。
2000年、ロンドンに土のインスタレーション作品「nest=0」がオープンした際には、世界中の様々な場所から訪れた人々が、その土の建物の中に見慣れた風景を見つけ、土建築が普遍的な和音に触れることができることを示した。「Red Container」、「Future House」、そして彼の代表的な作品である「Shell House / The language of the forest」は、ユニークで本質的なデザインと伝統的な土建築の特長と快適さを兼ね備えている。地場産の自然素材を用いたサステナビリティを提唱し、工業的な素材や工程からの解放と伝統技術の現代的活用を示した功績により、様々な国際的な賞を受賞し、日本や欧州での講演や会議にも参加している。
1962 — 仙台市に生まれる
1988 — 早稲田大学建築学科大学院修士課程修了
1988-1992 — 設計事務所勤務
1995 — 遠野未来建築事務所設立
2008- 2018 — 前橋工科大学非常勤講師として土建築の共同研究 。一級建築士。こども環境学会こども環境アドバイザー。
受賞歴
2020 Build Architectural Award / 第15回木の建築賞(モリノチカラ建築賞)
2019 A+Awards Private House Jury Winners / 第14回長野建築文化賞住宅部門最優秀賞(県知事賞)
2018 第50回 中部建築賞住宅部門特別賞
2016 TERRA AWARD 国際土建築賞優良賞 <神田 SU>
2013 日本漆喰協会作品賞 <矢向つぼみ保育園 >
2011 日本漆喰協会作品賞 <森風エコキャビン> / こども環境学会賞デザイン奨励賞 <矢向つぼみ保育園 > / 新たな伝統構法の家実作部門1位 <みらいのいえ>
2006 エコアート大賞特別賞 <神田 SU>
2004 リフォーム・リニューアル&コンバージョン設計コンペ最優秀賞 <神田 SU> / インテリアプランニング賞入選 <神田 SU>