
珪藻土のたまご (2005) / Earth Egg Dome (2005)
2005年に金沢21世紀美術館で石川県能登の珪藻土をアピールする目的で行われた「珪藻土アートプロジェクト」のシンボルとしてつくられた土のドーム。
地元の珪藻土の空間を見直し、ここから新たな産業や市民交流、まちづくりが生まれる願いを込め「珪藻土のたまご」と名づけられた。 会場の美術館のガラスばりの近代的な建築と対比した呼吸する自然素材の空間を意図している。 珪藻土の原土を土と混ぜ、竹小舞と荒壁の上に塗って仕上げた土壁造。頂部のトップライトとランダムにあけられた開口から自然光がさし込む。
制作は金沢の左官職人、職人大学、建築系大学そしてこどもたち、一般参加のワークショップと多数の参加者を得て行われた。 セメントや樹脂を使っていないため土に還すことができ、1月半の展示の後、土に戻された。
■ DATA
・設計: 遠野未来建築事務所 遠野未来
・左官指導:株式会社イスルギ 中村康
・施工:㈱イスルギ、遠野未来、金沢職人大学校左官科、金沢工業大学 松村崇司 沢目幸嶺、渡邊保、 照屋秋洋、中林さなえ、宇野徳宏、小林英利、藤澤美幸、戸田かおり、こどもたち、
ワークショップ参加者約100人
・設計期間: 2005.8.15~9.10
・施工期間: 2005.9.10~10.20
・展示期間:2005.10.20~12.05
・大きさ:4,6000x3,600x3,400 m/m 建築面積:9.8㎡
・素材:竹、珪藻土、粘土、消石灰、にがり、砂、藁、砂利
・構造:竹小舞土壁造 t=100mm
・仕上げ:珪藻土 土壁t=20mm 目荒し、砂利埋込み 仕上
■ 掲載誌 住宅建築2006年1月号、左官教室2006年2月号