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土壁と漆喰という日本の伝統的民家と、現代的な環境共生建築を組合せたこの住まいを、「みらいのいえ」と名付けた。この家は、建築に使用する素材の輸送や解体後の廃材が与える環境負荷問題に立ち向かうため、可能な限り「持ち込まない、持ち出さない」をテーマに、自然素材を用いた省エネルギーの家として作られた。
近隣国産材のムク材や古材梁を再生利用し、版築と草屋根には現場の土を使用。断熱材はPET再生断熱材・杉皮断熱材の自然・再生系を使用し、サッシュは全て国産・地杉による木製サッシュを使用した。これらの自然素材と、室内温熱環境を考慮したデザインは、エアコンを使用しない省エネライフを可能にする。上下換気のための高窓のある吹き抜け、屋根の一部を切り取った海が見える草屋根のテラス、曲面の蓄熱用の土壁と版築壁、草屋根の断熱効果、漆喰の調湿性など、自然と調和した工夫が至るところに見られる。
一見すると伝統的な和風の家のつくりだが、リビングと土間をつなぎ家の中心を貫く曲線を描いた土壁や、開放的な吹き抜け、高窓など、現代的なデザインも取り入れ、環境への配慮を徹底しつつ、現代の快適な生活も味わえる。工事には、伝統構法の大工とともに、インターネットと口コミの一般公募によるワークショップで延べ200名が参加。家づくりを契機に地域のコミュニティをつくる「コミュニティ・ビルド」を実践した。
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© Ph. + drawings, Tono Mirai architects
エアコンなしで暮らす / 環境共生建築 / 曲面の土壁 / 草屋根 / 健康配慮 / 古材再生 / コミュニティ・ビルド / 左官 / サスティナブル / 自然エネルギー / 自然素材 / 自然の循環 / 漆喰 / 省エネ / 職人技 / 土壁 / 蓄熱する土壁 / 伝統的木組 / 版築 / パッシブデザイン / 木造建築 / 持ち込まない・持ち出さない
所在地 — 神奈川県三浦市
主用途 — 住宅
工期 — 2009年5月〜2010年12月
建築面積 — 121.39㎡(36.7坪)
延床面積 — 142.63㎡ (43.1坪)
階数 — 地上2階
構造 — 木造在来工法
設計 — 遠野未来建築事務所
構造:増田建築構造事務所
施工 — (株)楽居