
森風エコキャビン 2009/ ECO CABIN 2009
岩手県葛巻町にあるエコスクール 「森と風のがっこう」内につくられた自然エネルギーを体感できる国内初の宿泊型環境体験施設。
「もちこまない もちださない」 をコンセプトに、築50年の旧教員社宅の材料をできるだけ廃棄せず、地場の木と土を使い、現代の環境共生建築としてリノベーションした。
既存の建物の柱と屋根を残し、木としっくい・ガラスによる新たな円形の宿泊室と温室・浴室を増築。円形の壁により、がっこう内に点在する既存施設全体がつながる。 地元業者と数多くのボランティアによって、工事が行われ完成。 滞在時、使用している自然エネルギーはモニターによって数値で表され、楽しみながらエコロジカルなくらしを体感できる。
■ 使用した自然エネルギー・自然素材
自然断熱材 -地元の土・葦・藁・薫炭を断熱材として壁・床に使用
・外壁 -葛巻産杉またはt15 一部土入りしっくい塗り
・ガラスの温室(ウインター・ガーデン) ー冬の温室効果
・ ソーラー発電パネル530x1200x36x8枚 -水循環(井戸水)・電気に使用、
・ソーラー温水器 1850x950x92 x2枚 -風呂・洗面に使用
・LED照明
・蒔ボイラー - 床暖熱・風呂・薪式床暖房クッキングストーブ -調理・床暖房に使用
・簡易水洗トイレ ・BMW排水 -バクテリアとミネラルを使った汚水の自然浄化排水
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● 自然エネルギーのみの家造りを目指した活動の中で、300人を超えるボランティアによる土壁づくりと職人によるコラボレーションからできた作品である。施主の情熱と思い、そして建築家の深い理解と施主の思いを体現できるだけの技量と職人の高い技術がなければできなかった作品である。漆喰の素材感を尊重した、素朴な仕上がりは、漆喰作品として秀逸である。
(2011年 第6回 日本漆喰協会作品賞 講評)
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■ 受賞
2011年 第6回 日本漆喰協会作品賞
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■DATA
・設計 :遠野未来建築事務所
・施工 :樋口建築(本体)、奥清左官工業(左官)、東北住建株式会社(温室・ガラス)
ソーラーワールド(設備)
・土壁制作指導 :四日市左官工業所 下四日市栄造、奥清治、佐藤ひろゆき
・主用途: 宿泊施設
・建築面積:61.70㎡(18.6坪)
・床面積:57.90㎡(17.5坪)
・構造/主な仕上げ: 木造1F/外壁:土壁下地杉板t15自然塗料仕上げ、しっくい仕上げ、
ガラス内壁:木組表し、土壁しっくい仕上げ
・工期:2008年5月~2009年12月竣工
■自然塗料提供:株式会社 イケダコーポレーション